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パズルが好きな男がいた。いつもどこか満たされなかった。どんなパズルも見慣れてしまって、あっという間に解けてしまうからだ。仕方がないから旅に出た。見たことがないほど難しいパズルを探すために。
海沿いの街を旅したときだ。浜辺に打ち上がるあぶくに男は心惹かれた。そっと掬い取ってみると、割れない。男は大事にあぶくを持ち帰り、そのまま故郷にとんで帰った。
家に着くなり中に荷物を放り込む。カバンの中は海のあぶくだらけだ。男は扉を閉め、あぶくのひとつひとつを愛おしそうに手に取り、品定めしてはくっつけ始めた。まるでジグソーパズルのようだった。
夜になり、朝日が登った。男の家の小さな窓に光がさす。疲れ切って眠る男の傍に金色に光る髪の美女がいた。肌はどこまでも白く唇は薔薇色で、足には尾鰭と鱗がついていた。遠い昔に恋に敗れて海のあぶくになった人魚姫だ。謎めいた笑みを浮かべている。男には生涯解けなかった。
海沿いの街を旅したときだ。浜辺に打ち上がるあぶくに男は心惹かれた。そっと掬い取ってみると、割れない。男は大事にあぶくを持ち帰り、そのまま故郷にとんで帰った。
家に着くなり中に荷物を放り込む。カバンの中は海のあぶくだらけだ。男は扉を閉め、あぶくのひとつひとつを愛おしそうに手に取り、品定めしてはくっつけ始めた。まるでジグソーパズルのようだった。
夜になり、朝日が登った。男の家の小さな窓に光がさす。疲れ切って眠る男の傍に金色に光る髪の美女がいた。肌はどこまでも白く唇は薔薇色で、足には尾鰭と鱗がついていた。遠い昔に恋に敗れて海のあぶくになった人魚姫だ。謎めいた笑みを浮かべている。男には生涯解けなかった。
ファンタジー
公開:24/09/01 21:29
更新:24/09/01 21:33
更新:24/09/01 21:33
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