泡い青春

0
3

「ちょっと休憩してくるねー」

生徒会の仕事に追われ、学校の中庭で小休憩。
学生生活ってもっと楽しいと思ってたんだけどなぁ。

と、空を仰いでいた私の前にシャボン玉が飛んできた。

「へぇ」

それは私の手に収まると、割れることなくスゥっと染み込んだ。
途端に心があったかくなる。
実はコレ、今若者に話題のアイテム。
『バブルレター』
恋文としてLOVEるレターと呼ぶ子もいる。

周りに知られず、吹き込んだ想いを相手に届けてくれる泡の手紙。
割れない事から恋愛成就のお守りとなっている。

ーあいつー

「会長ぉー、先生が呼んでるよー。」
「うん、今行くー」

と、ポケットからアレを取り出し今生まれたばかりの気持ちを一吹き。

「ふふっ、ちゃんとあいつに届けてよね。」

私だけじゃない。
太陽に照らされ、色とりどりの想いを乗せたシャボン玉が校舎の空を彩っていた。
恋愛
公開:24/09/01 18:26

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容