いまどきゾンビのヘアサロン
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「いらっしゃ」
挨拶しかけて、私は固まった。私のヘアサロンに入ってきたのはゾンビだった。世界的に発生しているといっても、まだ、この地域は大丈夫だと思っていたのに。
女性のゾンビはシャンプー台の前に座ると、頭を掻きむしっている。ゾンビになっても、しばらくは昔の習慣が抜けないらしい。頭が痒いから来たのだろう。
暴れられたら嫌なので、私はシャンプーを始めた。直接、触らないようにたっぷりの泡でゾンビの頭を洗う。
ゾンビは気持ちよさそうに目をつぶっている。
最後はヘッドマッサージ。両手で頭のツボを押さえると、ポキリと音がした。
「大丈夫ですか?」
慌てて声をかけたが、首の骨が折れたのか、頭が外れてコロリと転がった。
信じられないことに、この日から一ヶ月後には待ち伏せタイプのゾンビハンターとして私は世界に名を馳せていた。
挨拶しかけて、私は固まった。私のヘアサロンに入ってきたのはゾンビだった。世界的に発生しているといっても、まだ、この地域は大丈夫だと思っていたのに。
女性のゾンビはシャンプー台の前に座ると、頭を掻きむしっている。ゾンビになっても、しばらくは昔の習慣が抜けないらしい。頭が痒いから来たのだろう。
暴れられたら嫌なので、私はシャンプーを始めた。直接、触らないようにたっぷりの泡でゾンビの頭を洗う。
ゾンビは気持ちよさそうに目をつぶっている。
最後はヘッドマッサージ。両手で頭のツボを押さえると、ポキリと音がした。
「大丈夫ですか?」
慌てて声をかけたが、首の骨が折れたのか、頭が外れてコロリと転がった。
信じられないことに、この日から一ヶ月後には待ち伏せタイプのゾンビハンターとして私は世界に名を馳せていた。
ホラー
公開:24/09/01 16:35
名作絵画ショートショートコンテストで「復元師」が太田忠司賞を受賞しました。
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「ショートショートの花束」8と9にものっていますので、よろしく。
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