バースデーケーキの塔
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生まれてからずっと、塔に閉じ込められていた姫は、ひとりで暖炉に火を焚き、本を読んでいた。
塔は透明な魔法がかけられ、外から見えない。しかし今日、1人の王子が入り口を開け中に入った。姫は塔を登ってくる足音にありえないと驚き恐怖した。最後の扉が開いた時も、姫は立ち上がって恐怖を待っていた。王子は安心して、と、笑ってバースデーケーキを差し出した。
その時、暖炉の火力が一層強くなり、蝋燭型の煙突から火が噴き出した。住民はどこからともなく突如現れた火を消さねばと、急いで消火器の中身をぶちまけた。細かい泡がフツフツ立ち込め、泡はクリームのように塔を覆って流れ落ち、中からケーキを持った姫と王子が現れた。
20年前に姫と一緒に世界から消えた、誕生日の「お祝い」は今日、王子が姫を見つけたことで戻ってきた。
「乾杯しましょう!」姫がビールジョッキを差し出すと、空からホップの香りの、金の雨が降り注いだ。
塔は透明な魔法がかけられ、外から見えない。しかし今日、1人の王子が入り口を開け中に入った。姫は塔を登ってくる足音にありえないと驚き恐怖した。最後の扉が開いた時も、姫は立ち上がって恐怖を待っていた。王子は安心して、と、笑ってバースデーケーキを差し出した。
その時、暖炉の火力が一層強くなり、蝋燭型の煙突から火が噴き出した。住民はどこからともなく突如現れた火を消さねばと、急いで消火器の中身をぶちまけた。細かい泡がフツフツ立ち込め、泡はクリームのように塔を覆って流れ落ち、中からケーキを持った姫と王子が現れた。
20年前に姫と一緒に世界から消えた、誕生日の「お祝い」は今日、王子が姫を見つけたことで戻ってきた。
「乾杯しましょう!」姫がビールジョッキを差し出すと、空からホップの香りの、金の雨が降り注いだ。
ファンタジー
公開:24/09/01 16:18
更新:24/09/01 23:54
更新:24/09/01 23:54
自然と暮らす。
題材は身近なものが多いです。
110.泡顔
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