画家の家

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私は山里で絵を画き暮らしていた。絵のモデルになってくれた村人達に出来上がった絵を御礼にあげたりしていると、多くの農作物が届くようになった。
村の農作物販売所の片隅にも、私の絵が飾られている。
ある日、庭に出て夕陽を見ていると、大きな泡が飛んで来た。キラキラしている、直ぐに画帳を持って来て描いていると、足元に烏が落ちてきた。
びっくりし近づいて見ると、片目だけを開けている。
近くにあったダンボールを被せても逃げない。弱っているな、閉じた左眼を見ると怪我をしている。目薬を数滴落とし様子をみて、二日が経った。
箱から烏を出すと、元気に私の側に来た。
両眼を開いて泡の絵を見つけ突くので、君にあげるよと言うと、烏は嘴に絵を挟み飛び上がった。丁度その時画家の家を探して訪ねて来た画商とぶつかり絵を落とした。
この泡の絵は販売所で見つけた画家の作だ、間違いない。
画商のお陰で、今では画家は有名になった。
ファンタジー
公開:24/08/31 10:18

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