シラガー

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うちの家系はシラガーだ。特に父方の家系がかなりのシラガー。

そんな血を濃く引いた私は若い頃から美容室に行く度に白髪染めをしていた。
そろそろ白髪染めしなきゃと周りが言い始める年齢には既に立派なシラガーで、美容室だけでは間に合わず頻繁にリタッチをしていた。

男性に生まれていたなら見事な燻し銀になれただろう。実際、祖父はなかなかのロマンスグレーだった。寡黙だったし。だが私は残念ながら燻し銀にはなれない。

ある日、久しぶりに弟に会った。弟は相変わらずの黒髪。染めているのかと聞いたら、そんな事はしていないという。
何だと?コイツはシラガーじゃないだと?!憤慨して文句を言うと弟は憎々しげに私を睨む。

「うるさい。生えてるだけ良いだろうが!」

ハッとした。私は父方の血が強いが弟は母方の血が強い。

時が来たら潔く坊主にすると言う弟。男前だが通りすがりの子どもを泣かすんじゃないかと少々心配だ。
公開:24/08/31 00:32
更新:24/08/31 07:25

ぽんず

ぽんずとかねぎとか薬味と調味料。
(たまに作品整理をします。整理したSSはNovelDays等にあります)
http://lit.link/misonegi

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