夫がビールを飲む理由

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また飲んでるのかって?妻よ、怒る前に話を聞いてくれ。
19歳になって僕はようやく小さい頃から目指していたサンタクロース学校に入学することになった。入学するとサンタクロースになるべく、煙突がない家への入り方、効果的なプレゼントの置き方、子供に姿を見られた場合の対処方、プレゼントの変遷、トナカイの機嫌のとり方などをみっちり1年間学ぶ。そして卒業テストの日。
「1年間よく頑張った。サンタクロースにとって一番必要なものは何だと思う?」
校長先生がみんなに問いかけた。
「それは美味しいビールさ!卒業テストは立派な白い髭を作れるかどうかだ」
ジョッキになみなみと継がれたビールが全員に配られた。黄金色の液体に白い泡がこんもり。
「みんな立派な髭を蓄えてくれ!乾杯」
こうして僕はサンタクロースのトレードマーク、立派な白い髭を授かった。だから、毎日ビールを飲むのは仕事なんだよ。さてもう一杯もらっていいかな。
公開:24/09/01 14:33

むう( 地獄 )

人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。

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