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外壁に蔦がかかった薄暗い喫茶店で、樹李(たつき)はメロンソーダ、わたしはジンジャーエールを頼むのがおきまりだった。
外では蝉がしゃわしゃわ鳴いている。
メロンソーダのアイスが溶けるのもいつもより少し早い。
透明なグリーンの液体に白いかたまりが溶け合っていく。
そうなる様を見ているとこうやって目の前の人物に懐柔されていったことを思い出す。
「夏はアイスが溶けやすいけど、その分混ざった美味しさを早く楽しめるからいいよね」
嗚呼、夏の弱点を、嫌なところを、こんな風に言えちゃうところも好きだなぁと思いながらストローをくるくるまわす。
ジンジャーエールの炭酸のつぶつぶが上がってくる。
樹李にはこのつぶつぶくらいたくさんのいいところがあって、わたしはまだまだそれを知らないでいる。
一緒に過ごすごとにそれは増えていく。
ゆるい渦がおさまった後、ジンジャーエールの小さな泡がまたひとつぱちんと消えた。
外では蝉がしゃわしゃわ鳴いている。
メロンソーダのアイスが溶けるのもいつもより少し早い。
透明なグリーンの液体に白いかたまりが溶け合っていく。
そうなる様を見ているとこうやって目の前の人物に懐柔されていったことを思い出す。
「夏はアイスが溶けやすいけど、その分混ざった美味しさを早く楽しめるからいいよね」
嗚呼、夏の弱点を、嫌なところを、こんな風に言えちゃうところも好きだなぁと思いながらストローをくるくるまわす。
ジンジャーエールの炭酸のつぶつぶが上がってくる。
樹李にはこのつぶつぶくらいたくさんのいいところがあって、わたしはまだまだそれを知らないでいる。
一緒に過ごすごとにそれは増えていく。
ゆるい渦がおさまった後、ジンジャーエールの小さな泡がまたひとつぱちんと消えた。
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公開:24/08/28 22:46
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