東京あわ~
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8月10日、首都圏は夕方からゲリラ豪雨。雨音の中でスマホが呼んでいる。山に魅せられ、登山家となった幼馴染からの着信。『良いもの見せてやるから、明日の夜明け前にこっち来いよ』だと。おいおい、君の言う『こっち』って東京の西の西の端の山奥だよ。難色を示すも、結局、従う。夏休み中でやる事もないし。
待ち合わせ場所で落ち合い、登山口から真っ暗な山道を30分ほど歩いた崖の下側で彼は足を止め、ここで日の出まで待つという。どんな『良いもの』が見られるか、期待はせず、コーヒーを飲みながら話を聞く。目の前の崖は333mの高さで、東京タワーと同じ高さらしい。
空が明るくなり始めたその時、「きたぞ。」彼の指さす崖の上から、シャボン玉のような大小の泡が降ってくる。朝日に照らされる泡の幻想的なその眺めに言葉を失う。
大雨が近隣の山に降った次の日の早朝にのみ見られるという不思議な光景。
「東京あわ~」と彼がつぶやく。
待ち合わせ場所で落ち合い、登山口から真っ暗な山道を30分ほど歩いた崖の下側で彼は足を止め、ここで日の出まで待つという。どんな『良いもの』が見られるか、期待はせず、コーヒーを飲みながら話を聞く。目の前の崖は333mの高さで、東京タワーと同じ高さらしい。
空が明るくなり始めたその時、「きたぞ。」彼の指さす崖の上から、シャボン玉のような大小の泡が降ってくる。朝日に照らされる泡の幻想的なその眺めに言葉を失う。
大雨が近隣の山に降った次の日の早朝にのみ見られるという不思議な光景。
「東京あわ~」と彼がつぶやく。
ファンタジー
公開:24/08/28 15:31
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