弾ける
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いつの日からか、どういうわけか、泡という泡が早く弾けるようになった
ビールは注いだ瞬間こはく色の液体になり、泡で出てきたはずの石けんは、こする前に透明に戻る
そーっと吹いたシャボン玉だって、屋根まで届かず消えてしまう
いくら泡のよさがその儚さだったとしても、それを味わう時間すらない
なくなって初めて、その大切さに気付くものである そしてそれがない不便さにも
例えば今来ているカフェ
メレンゲはすぐ萎むからシフォンケーキはないし、生クリームを使ったスイーツも作れないそう
「えーと、オススメは何ですか」
「フリンです ハフアニューギニアでとれた、新鮮なハイナッフルを使っているんですよ」
言葉についた泡さえも、耳に届くまでに弾けて消えてしまうのだ
泡はどこにも残らない
もちろん文章にも
ビールは注いだ瞬間こはく色の液体になり、泡で出てきたはずの石けんは、こする前に透明に戻る
そーっと吹いたシャボン玉だって、屋根まで届かず消えてしまう
いくら泡のよさがその儚さだったとしても、それを味わう時間すらない
なくなって初めて、その大切さに気付くものである そしてそれがない不便さにも
例えば今来ているカフェ
メレンゲはすぐ萎むからシフォンケーキはないし、生クリームを使ったスイーツも作れないそう
「えーと、オススメは何ですか」
「フリンです ハフアニューギニアでとれた、新鮮なハイナッフルを使っているんですよ」
言葉についた泡さえも、耳に届くまでに弾けて消えてしまうのだ
泡はどこにも残らない
もちろん文章にも
ファンタジー
公開:24/08/30 12:49
読むのも書くのも好きです。よろしくお願いします!
2022 ショートショート集『節目の一杯』をつむぎ書房より出版
2023 愛媛新聞超ショートショートコンテストにて「かぞくしんぶん」が特別賞に選ばれる
2024 第20回坊っちゃん文学賞にて「鯉のぼり」が佳作に選ばれる
発表し合える環境に感謝します。
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