ビアサイクル

ＳＤＧｓが叫ばれる昨今。ビールから作られた新たなバイオマス素材が注目を集めている。
ビールの泡を加工した再生発泡スチロール、ビアスチレン。炭酸飲料の中でもきめ細かく持ちの良いビールの泡を使う事で、高品質な発泡構造が形成され、糖と酵母の発酵促進作用により、従来の植物原料に比べて安価で大量生産が可能だという。

出荷段階の規格外品や賞味期限切れなど、メーカーや店頭で廃棄されるビールを回収、ビアスチレンを製造する。
原料が泡であるため、焼却時は水と二酸化炭素に分解され、内部アルコールで完全燃焼するのでゴミも出ない。軽量で独特の弾力と断熱・衝撃吸収性を持ち、今後多方面での活用が期待される。

ビアスチレンの構造分子は、時間経過につれ徐々に気が抜け、原料由来の色や香りが揮発される。
おかげでユーザーの購買意欲を刺激し、またビールが売れるという好循環。ビール業界はすっかりスチロールバブルに沸いている.