身長差を感じない

身長１４２㎝の私の見る世界が気になる彼は、しゃがんで私の視線に合わせてくれた。
身長１８５㎝の彼の見る世界が気になる私は、椅子の上に立つ事で彼の視線に合わせた。
私達は今日、デートでスカイツリーを訪れた。
遠くの景色を眺めるのであれば、身長差なんて関係なく視線を合わせられる。
私は、高い場所が大好きだ。
彼がそっと私の前に跪く。私の見る世界が見たいのかな？
「僕と結婚してください」
彼は私に指輪を差し出しそう言った。
突然のプロポーズ。ずっと待っていた彼からの告白に私は何度も頷く。
彼は私の左手を取ると、その薬指に指輪をはめた。
彼と私の視線が絡み合う。私達は今、同じ未来を想像している。
子どもと一緒に、スカイツリーを訪れる未来を夢見る。その光景も、身長差なんて関係なく視線を合わせられた。