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枝に茂った透明な泡を吟味しながらおじいちゃんが割る。今日も朝から暑いのに、その集中力が途切れることはない。5分で夏休みの宿題に飽きて縁側でアイスキャンディを齧る私とは大違いだ。
歪な泡や膨らみ過ぎた泡はこまめに割り、泡と泡の間に余裕を持たせて伸び伸びと育てるのがおじいちゃんのシャボン道らしい。「なるほど~」と聞きつつ、実のところその魅力はよくわからないが、楽しそうに話すおじいちゃんが私は好きだ。
銀色の針で慎重にパチンと泡を割るおじいちゃん。余裕のできた枝にふるると揺れて泡たちが喜ぶ。

にゃあ~ん…

今日も来たな、うちの飼い猫ミケ。
大好きなおじいちゃんがシャボン栽に夢中になっていると、いつもシャボン棚に飛び乗って視界に入りこむ。それでも構ってもらえないと…

「あぁ、ミケ!ダメダメ!」

クリームパンみたいな手でシャボン栽の泡に猫パンチをかますミケに、おじいちゃんがあわあわしている。
ファンタジー
公開:24/08/22 12:00
更新:24/09/01 10:41
泡の盆栽 シャボン栽 猫パ〜ンチ♪

ネモフィラ(花笑みの旅人)( 気の向くまま )

読んでくれてありがとう!

寒い季節になったから、気が向いた時にふらりと立ち寄ってゆるーく投稿しています。

 

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