疫病神は女神様

医者の家系に生まれるも体が弱く、医大を首席で卒業できなかった私を家族は追放した。
「一族の面汚しめ！二度と戻ってくるな！」
まるで疫病神だ…そんな私を拾ってくれたのは本物の疫病神だった。
『人間ってのは脆弱だねぇ…そんな簡単な病気も治せないのか？』
簡単な病気？私のこれは不治の病ではないのか？そもそも医者でない貴方に病気の何が分かる？
『分かるに決まっているだろう。俺は疫病神だぞ。病に関して誰よりも詳しい』
言われてみれば確かにそうだ…ならばこの病気を治す方法も…
『勿論知っているし教えてやる。それを論文にしてお前の手柄にしてもいい。お前が開業医を目指すのなら手も貸そう。お前と同じ苦しみを抱える人を助けていこうじゃないか』
私は疫病神に心から感謝した。この方は女神様だ！
『それでお前の鼻持ちならない家族の病院を片っ端から潰そうぜ』
性格の悪い女神様は私を家族にとっての疫病神にしたいようだ。