晴れ、ときどき泡
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「カズキって、友達とわたし、どっちが大事なの?」
朝からそんなこと聞くなって。
「マユミはどっちだよ」
「うーん、どっちも大事」
「ずる」
都内1Kのアパート。先週から居候するマユミは、今日も駄々をこねている。きっと猫になりたいのだ。
「ならマユミも友達の待ち合わせは大事だろ?じゃあ行くぞ」
「えーでもさみしい」
「もう遅れちゃうよ」
ドアを開くと、外は秋だった。上空の巻層雲が、まるで今までの暑さなんて存在していなかったかのように、堂々と空を支配していた。地上の子ども達は、シャボン玉を吹きながら気ままに通りを練り歩いている。目の前を通り過ぎる泡には、マユミの姿が映っていた。
「なぁ外涼しいからエアコン切っとけよ」
マユミはもういなかった。
外は雨だった。黒々とした積乱雲に、蒸し暑い夏の記憶を甦らせる。
「今までありがとう。カズキのこと好きだったよ」
朝からそんなこと聞くなって。
「マユミはどっちだよ」
「うーん、どっちも大事」
「ずる」
都内1Kのアパート。先週から居候するマユミは、今日も駄々をこねている。きっと猫になりたいのだ。
「ならマユミも友達の待ち合わせは大事だろ?じゃあ行くぞ」
「えーでもさみしい」
「もう遅れちゃうよ」
ドアを開くと、外は秋だった。上空の巻層雲が、まるで今までの暑さなんて存在していなかったかのように、堂々と空を支配していた。地上の子ども達は、シャボン玉を吹きながら気ままに通りを練り歩いている。目の前を通り過ぎる泡には、マユミの姿が映っていた。
「なぁ外涼しいからエアコン切っとけよ」
マユミはもういなかった。
外は雨だった。黒々とした積乱雲に、蒸し暑い夏の記憶を甦らせる。
「今までありがとう。カズキのこと好きだったよ」
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公開:24/08/20 17:23
更新:24/08/20 19:35
更新:24/08/20 19:35
2023/10/19に参戦した新参者です。忌憚のないコメントお待ちしております。
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