小さな泡のぷくぷく

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ぷくぷく、ぷくぷく……
森の泉で今日も小さな泡のぷくぷくが生まれている。生まれたてのぷくぷくはちょうどいい風が来るのを待って、風に乗ってふわふわと旅に出る。

ぷくぷくは、元気のない人や悲しみに沈む人、時には淋しい動物の背中にそっと着地する。例えば、大切な人を亡くて悲しみに暮れる人や、自転車にうまく乗れなくて悔し泣きする子や、親鳥とはぐれてしまったツバメの坊やに。ぷくぷくは背中に着地して、しあわせをもたらす。そーっと背中に着地するので、その存在に気づかれないが、ふっと気持ちが軽くなったり、急に元気が出たりする。稀に風のいたずらで、4つのぷくぷくが同時に同じ背中に着地することがあり、その時は特別な「し・あわ・せ」がもたらされ、一生分の幸せに恵まれると言われている。

ぷくぷくは自分の役目を終えると、そっと消える。そしてまた新しく生まれたぷくぷくが、風に乗って誰かのもとへ飛んでいく。
ファンタジー
公開:24/08/20 18:00
更新:24/08/20 22:56

ジャスミンティー

2023年10月から参加しています。作品を読んでいただき、ありがとうございます。

最近noteへの投稿も始めました。よろしかったら、そちらもご覧ください。エッセイ、短歌なども載せています。https://note.com/real_condor254 
 

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