泡めがね

最近魚達の間で泡めがねが流行しています。
丁度サングラスの様に、目の上に乗せるだけで近々身に起きる事が見えるのです。
自分が何者かに襲われ逃げている姿を見れば、直ぐに岩陰に隠れ、その後自分の身が無事な事を見れると岩陰から出て来ます。
このめがねの材料は、船に乗っている人間達の楽しい幸福感が膨らみ、船から海にこぼれ落ちて泡になり海水に溶け込んだ物です。

砂漠の街で海水を真水に変えられる機械が完成し、この泡の入った海水を真水に変えて使いだしました。
街中の人達がその水で顔を洗う度に幸福になり残り水は、大切に育てている小さな木々に与えました。
ある時顔を洗っていた人の目にその雫が入り、瞬きをすると、自分達の街中が緑に溢れた景色が見えました。同じ風景を多くの人達も見ていたので、皆はこの水には不思議な力が有るのだと確信し、水を撒き続けました。
人々は緑豊かになった街を、大変誇りに思い喜んでいます。