本当の目的 探偵シリーズ⑤
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下北沢のレトロ喫茶には、ビールが置いてあるらしい。ジョッキの傍で頬杖をつく女性が今回の依頼人だ。
「…旦那が1ヶ月も見つからないなんて、あり得ないわ!」
「奥様、つまり旦那さんを探してほしいとのことですね?」
「あったりまえでしょ!」
泥酔の女性は、鞄を睨みつけながら、力任せに大きな額縁を引っ張り出した。新婚旅行の写真だろうか。
「旦那はビールが凄く好きで、旅行先でいつも注文するの。でも、泡が乗ってる日本のビールが一番だって言ってた」
「この喫茶店を選んだのは行きつけだからですか?」
「そうよ。ここでいつもビールを頼んでとりとめのないことばっかり話してたわ」
「奥様、本当に旦那さんはこの場所が好きでしたか?」
「え?」
ジョッキに泡は存在しなかった。
探偵がすかさず後ろを振り向くと、男性の店員がふと目線をそらした。
「旦那さん、気づいてたのだと思いますよ」
「…旦那が1ヶ月も見つからないなんて、あり得ないわ!」
「奥様、つまり旦那さんを探してほしいとのことですね?」
「あったりまえでしょ!」
泥酔の女性は、鞄を睨みつけながら、力任せに大きな額縁を引っ張り出した。新婚旅行の写真だろうか。
「旦那はビールが凄く好きで、旅行先でいつも注文するの。でも、泡が乗ってる日本のビールが一番だって言ってた」
「この喫茶店を選んだのは行きつけだからですか?」
「そうよ。ここでいつもビールを頼んでとりとめのないことばっかり話してたわ」
「奥様、本当に旦那さんはこの場所が好きでしたか?」
「え?」
ジョッキに泡は存在しなかった。
探偵がすかさず後ろを振り向くと、男性の店員がふと目線をそらした。
「旦那さん、気づいてたのだと思いますよ」
ミステリー・推理
公開:24/08/20 05:17
更新:24/11/12 17:06
更新:24/11/12 17:06
2023/10/19に参戦した新参者です。忌憚のないコメントお待ちしております。
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