君ロス

初恋は儚い。
想いがつのり、苦しくて眠れない夜があった。想いが届き、有頂天で眠れない夜があった。

幸せな時は長続きしない。それは初恋のセオリーらしい。まるで膨らんだシャボン玉がいきなりパチンとはじけるように、恋は終わる。
「受験勉強に集中したいの」　
勉強と恋愛は両立しないなんて、僕は思いたくなかった。でも、彼女には彼女の考えがある。

「ごめんなさい」
君が泣きそうな顔で言う。謝らないでほしい。

僕は僕の恋にサヨナラできずに、はじけて消えたシャボン玉の残像を探した。

さよなら初恋。さよなら僕の好きだった人。さようなら初めて恋をした僕。

君で溢れそうだった僕の心の中で、エンドレスに膨らんでは弾けるシャボン玉。