蜂蜜酒に刺された話

蜂蜜酒を初めて飲んだ時の衝撃は今でも覚えている。
それを注いでくれた女性に一目惚れし、息をするのも忘れた。
急性アルコール中毒を疑われたよ。どちらかと言えばアナフィラキシーショックかな？当時の俺は恋愛に抗体がなかったからね。
翌日から俺は女性に会う為、店に通い始めた。
蜂蜜酒と女性のしぐさに心刺されたせいでドキドキが止まらない。俺の気持ちは腫れが大きくなる。
気が付けば「あなたといたいです！」と、叫んでしまった。
酔っぱらいの戯言だと、あっさりフラれたよ。
だけど俺は諦めなかった。惚れた腫れたは当座の内なんて言うが、現実の厳しさをよく理解した上で何度もアタックし、何度も痛い目を見た。
そしてついに女性が俺の告白を受け入れてくれた時、店は蜂の巣をつついたみたくなった。
当時を思い出すと今でも妻と二人、笑ってしまう。
出会った時と同じように妻が注いでくれる蜂蜜酒のツマミになる話としては最適だ。