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花火の音に紛れて告白をしよう。そんなことを考えながら隣を見つめる。彼女は花火に夢中で、真隣で僕が悶々としていることに気づいていないのだろう。ロマンチックな雰囲気に似合わず、勇気が出ずになかなか言葉が紡げない。彼女の湖面の様な静かな黒い瞳に花が開いては散りを繰り返している。ふと彼女の意識がこちらに向き、僕は咄嗟に林檎飴を齧った。
「花火綺麗だね」
彼女はそう呟く。僕は黙って俯く。そろそろ花火も終いだ。
「あのっ!」
焦燥からか、口が勝手に動いた。ふと彼女の髪が揺れた。その直後、最後の花火が暗闇に咲いた。思わず口を閉じ、彼女と同じ方向を見ていた。
「……花火、終わったね」
火花の散る余韻を空に残し、彼女はゆっくり歩き出した。彼女の寂しそうな背中は僕の気のせいなのか。口に残る林檎飴のべたりとした甘酸っぱさが今は鬱陶しい。
「また観に来ようね」
別れ際の彼女の言葉が静かに耳に響いた。
「花火綺麗だね」
彼女はそう呟く。僕は黙って俯く。そろそろ花火も終いだ。
「あのっ!」
焦燥からか、口が勝手に動いた。ふと彼女の髪が揺れた。その直後、最後の花火が暗闇に咲いた。思わず口を閉じ、彼女と同じ方向を見ていた。
「……花火、終わったね」
火花の散る余韻を空に残し、彼女はゆっくり歩き出した。彼女の寂しそうな背中は僕の気のせいなのか。口に残る林檎飴のべたりとした甘酸っぱさが今は鬱陶しい。
「また観に来ようね」
別れ際の彼女の言葉が静かに耳に響いた。
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公開:24/08/14 19:28
2024/08/12に利用開始しました。初心者なので拙い文章が目立つかもしれませんがよろしくお願いします。
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