バブルの塔

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はるか昔、人類がバベルの塔を建てた。神への挑戦であると、神は塔を壊した。それまではひとつの言語だったのを、意志の疎通ができないようにバラバラの言語をつくった。それ以後、地球上では争いが絶えなくなった。

そして現代、人類間の争いはなくなることがない。
人類の言語をひとつにして、地球上が平和になるように神様に頼みに行こう。
再び、天まで届く塔を建てる計画が持ち上がる。
頑丈な素材で塔を作ってまた神様に壊されてしまっては、大量の廃棄物がでることになる。
どんな材料で作ったらよいか世界中から代表が集まって話し合う。

「泡でつくろう。泡なら壊されても廃棄物はでない」
地球上からありとあらゆる泡が集められた。
泡で作る塔は繊細だ。壊れやすかった。
何度も何度も壊れては作り直す、そんな作業が何年も続いた。

人類は、お互いに協力し、言葉が通じなくとも理解するように努めた。

争いがなくなった。
ファンタジー
公開:24/08/16 09:29

かのこ

最後まで読んでくださった方、感謝!

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