打ち上げ花火の子ども

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 毎年夏になると、家の縁側に打ち上げ花火の子どもがやって来る。
 見た目は蛍より鮮やかに光る昆虫のような感じ。物心がつくころには僕にとっての夏の風物詩になっていた。
 彼らは、僕が縁側でスイカを食べている時にやってきて、一口ちょうだい! というように周りを飛び回ってくるのだ。
 仕方なく食べかけのスイカをあげる。すると、徐々に大きく成長していく。
 僕の住んでいる地域では、夏の終わりごろに花火大会が行われる。
 成長した打ち上げ花火の子どもは、毎年この花火大会で楽しそうに飛び回っている。
 ぱっと見は気づかないけれど、よく見ていると、散ることなくずっと夜空の中で輝き続けている花火があって、それが彼らなのだ。
 僕は僕で、その光景を家の縁側から眺めながら、夏の終わりと季節の移り変わりに想いを馳せている。
 また来年も彼らが来てくれることを願いながら、毎年、スイカをひとかじりするのだ。
ファンタジー
公開:24/08/15 23:26

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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