恐山(おそれざん)

恐山は青森県にある日本三大霊場のひとつだ。
活火山であり霊場内には白濁している湖、寺、宿坊、温泉などがある。

僕が７年前に死んでから当時、恋人だった遥が
毎年お盆になると東京から来て宿坊に泊まる。
僕も天国から近い恐山に毎年お盆に来る。

今年も死者が降りて来られる八角円堂で遥と会った。


「１０月に結婚するの。だから今年で…」
「おめでとう！実は…僕も好きな人がいる」
「そうなの？良かった…」遥は婚約者と帰って行った。


「好きな人なんていないでしょ？」いつの間にか隣に萌がいる。

萌は僕が住んでいたアパートの住人だった。
萌が失火して隣の部屋に住んでいた僕は巻き添えで死んだ。
今は三途の川で僕と清掃バイトをしている。

「遥は生きている。幸せになって欲しいな」
「そうね二人共、前に進まなきゃ」萌が笑う。
「お前に言われたくないよ！」萌に文句を言ったが僕も笑って青い天空を見上げた。