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彼は毎晩同じ夢を見た。空から砲弾のように泡が降り、逃げ遅れて泡を浴びた自分の体が溶け始めたところでいつも目が覚める。
彼は社内の異動で、ある部署に配属されて二年になる。その部署は極秘で化学兵器を開発する特別チームだ。彼はエリート集団の中になぜ自分のような平凡な人間が選抜されたのか不思議だったが、光栄に思い任務に励んだ。完成を目指す兵器は上空から猛毒の泡を降らし、その泡を浴びると人の体は跡形もなく消える。
彼はまた同じ夢を見た。いや、それは夢ではなかった。夜明け前に山間地で行われた「死の泡2033」の投下演習兼人体実験。彼には詳細を知らせぬまま行われ、彼の人生最後の仕事となった。実験は成功した。
朝日が昇り始めると、小さなシャボン玉たちが、静かにその地から空へと舞い上がっていった。
彼は社内の異動で、ある部署に配属されて二年になる。その部署は極秘で化学兵器を開発する特別チームだ。彼はエリート集団の中になぜ自分のような平凡な人間が選抜されたのか不思議だったが、光栄に思い任務に励んだ。完成を目指す兵器は上空から猛毒の泡を降らし、その泡を浴びると人の体は跡形もなく消える。
彼はまた同じ夢を見た。いや、それは夢ではなかった。夜明け前に山間地で行われた「死の泡2033」の投下演習兼人体実験。彼には詳細を知らせぬまま行われ、彼の人生最後の仕事となった。実験は成功した。
朝日が昇り始めると、小さなシャボン玉たちが、静かにその地から空へと舞い上がっていった。
ホラー
公開:24/08/14 17:24
更新:24/08/14 17:29
更新:24/08/14 17:29
私的納涼ホラーシリーズ
2023年10月から参加しています。作品を読んでいただき、ありがとうございます。
最近noteへの投稿も始めました。よろしかったら、そちらもご覧ください。エッセイ、短歌なども載せています。https://note.com/real_condor254
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