RADIO　OBON

「続きましてレイディオネーム・大福じぃじさん！ナスビさん、キュウリさん、こんぼんは。早速ですが私には…」

深夜の受験勉強中。部屋に籠ってエアコンのゴォォという音だけを聞いていると心細くなるから、私はラジオを流している。

「…本当に自慢の孫です。今年は受験勉強も頑張っており…」

気分によって色々な番組を流すのだが、この番組は初めて聴く。今読まれているメールの投稿者には、私と同い年の孫がいるらしい。

「…久々にこちらへ帰ってきましたが、直接伝えることができません。そこで、孫への応援メッセージを代読して頂きたいのです。」

素敵なお爺ちゃん！届くといいなぁと思いながら耳を傾ける。

「お供え物の大福、とても美味しかったよ。草葉の陰から、ヒナタをいつも応援しているからね。」

自分と同じ名前が呼ばれて思わず勉強机に飾ってある写真立てへ目をやると、写真に写る今は亡き祖父がウインクした。