人助け
0
1
「あっ。先日はどうも。助かりました。」まただ。私と同じ顔の人間がいる。それもその人間は良く人助けをするらしい。なので私は毎回こう答える。「いえいえ。当然の事をしただけですよ。ハハハ。」すると相手は頭を下げる。私は笑顔でその場を去る。大抵はこれで済む。でも今回は、ちょっと違った。「昨日は助かりました。あの時助けて戴かなかったらどうなっていたか。ホント、ゾッとしますよ。」
いつものように「いえいえ。当然の事をしただけですよ。ハハハ。」と言って立ち去ろうとすると、「あっ、あの。お礼をさせて下さい。時間あります?」こういう展開は、初めてだ。「え~と。」と私が悩んでいると相手が手を掴んで来る。「ねっ。ちょっとくらい時間あるでしょ。お礼させて下さい。ホラッ。」凄い形相。さすがに怖い。「あっ。すいません。ごめんなさい。違うんです。人違いなんです。」「はっ?そんなことわかってますよ。」「えっ?」〈終〉
いつものように「いえいえ。当然の事をしただけですよ。ハハハ。」と言って立ち去ろうとすると、「あっ、あの。お礼をさせて下さい。時間あります?」こういう展開は、初めてだ。「え~と。」と私が悩んでいると相手が手を掴んで来る。「ねっ。ちょっとくらい時間あるでしょ。お礼させて下さい。ホラッ。」凄い形相。さすがに怖い。「あっ。すいません。ごめんなさい。違うんです。人違いなんです。」「はっ?そんなことわかってますよ。」「えっ?」〈終〉
ホラー
公開:24/08/09 14:13
ログインできなくなったので新たなアカウントで再始動。
時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、短いお話を書いています。コメントは励みになります。とりあえず過去作の改訂版を中心に新作も載せていきます。よろしくお願いします。
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます