人形の家

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私は、自分で言うのもなんだけど有名な人形作家。
顧客の注文を受けて作る人形は、小さなものから等身大のものまで。
その人形は、まるで生きているようだと言われる。

昨日完成した人形を椅子に座らせる。
注文した男性客は、午後に来る予定だ。
「うわっ、びっくり。先生が座っているかと思いました」
部屋に入ってきたスタッフが驚く。
自分でも思う、会心の出来だと。

午後、男性客がやってきた。
スタッフが不在なので飲み物の準備をしようとすると、
「どうぞ」
彼がアイスコーヒーを差し出した。
椅子に座って雑談をしながらコーヒーを飲む。
なぜか眠くなってきた。

気がつくと、私は見知らぬ部屋の椅子に座っていた。
立ち上がろうとしたが、手足が椅子に固定されている。
口にはガムテープが貼られている。

彼が部屋に入ってきた。
「こんなリアルな人形を作ってくれて嬉しいなあ。うわ、涙まで流しているよ」
ホラー
公開:24/08/11 18:25

かのこ

最後まで読んでくださった方、感謝!

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