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二人で一つの服を着るように、二人が君の身体を使う。二人というのは君と君。二人は入れ替わりながら君の身体に入って行動する。ジキルとハイドみたいに対照的じゃなく、違いは明白ではないが、両手に利き手があるように二人は出番が少しずつ別になる。例えば一人は君が会社で仕事をする平日。もう一人は家族と過ごす休日。どちらも君だから君は判別できない。周りの者も平日と休日で君の所作に違いをみても、二人の君のことを想像だにしない。その周りの者もやはり二人の者がそれぞれの身体を使っているのだが。
君は振り返ることがある。なぜこの人生なのかと。実存的不安。それは一人の君がもう一人の君を案じるとき。どちらが本当の君かと。でも君が入れ替わればたちまち忘れる。
ある日一人の君が去る。往々にして高齢に達すると一人きりになる。名実ともに君は君。だが君は物足りない。そして月日が経ち、残った一人も君の身体から去る、というわけだ。
君は振り返ることがある。なぜこの人生なのかと。実存的不安。それは一人の君がもう一人の君を案じるとき。どちらが本当の君かと。でも君が入れ替わればたちまち忘れる。
ある日一人の君が去る。往々にして高齢に達すると一人きりになる。名実ともに君は君。だが君は物足りない。そして月日が経ち、残った一人も君の身体から去る、というわけだ。
その他
公開:24/08/07 16:14
2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。
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