泡銭の噺

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一粒万倍日という、努力が万倍になって返ってくる一日がある。
そんな日に僕は、努力から最も遠い行為の一つである宝くじの購入を行った。

「おめでとうございます。五万円の当選ですね。」
僕の三枚のコインは五枚の泡となった。

この泡銭をどうしてやろう。迷ったが僕は泡の国の姫に会いに行くことを決意。良客の僕は泡の国への手土産として、高めの栄養ドリンクをコンビニで購入。五枚だった泡は十三枚になる。

『震災で甚大な被害を受けた火の国への募金をお願いします』

気の大きくなった僕は、店員から手渡された細かい方の泡を募金箱に入れようとしたが、手を滑らせ大きな泡ごとその箱に入れてしまう。

コンビニ店員からの羨望の目。やけになった僕は栄養ドリンクで元気を取り戻す。火の国には結果五億円弱の募金が集まり、その後万倍に復興したそうだ。
ファンタジー
公開:24/08/08 07:53

椎名( 東京 )

暇つぶしに書いています。読んでいただき、ありがとうございます。

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