すごい気配り

最近、さっちゃんの付き合いが悪い。
学校が終わったらさっさと帰ってしまうし、土日も遊んでくれない。
嫌われたのかな…と、思っていると「違う違う。赤ちゃんのお世話で手が離せないの」と答える。
赤ちゃんのお世話？私達まだ小学生だよ。何でさっちゃんがやっているの？
意味が分からず、さっちゃんの家について行く。さっちゃんは帰ってきてすぐにボロボロの人形を抱きしめた。
人形の服を着替えさせ、人形に人間の食べるご飯を食べさせようとして、本物のミルクを飲ませようとする。
「私はママだから。この子を守らなきゃ」
さっちゃんはやつれた顔で笑う。自分の服を捲っておっぱいを飲ませようとする。
その異常さに、私は逃げ出してしまった。
それから、さっちゃんは学校に来なくなった。あの時、私は怖くてもさっちゃんがどうなったか聞いておくべきだった。
だって今、私の娘が拾ってきたボロボロの人形に同じ事をしているんですもの…