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大切な人たちに幸せでいて欲しいという願いから、私が肌身離さず身に着けていたのは、この気配り信号キーホルダー。自分の周りに気配りを必要とする人がいたら信号の色で教えてくれる優れものなのだが…。
「壊れていませんよ」
私に手渡しながら、温かな笑顔で店主が言う。
「…じゃあ、誰か困ってるんだ…」
胸を痛める。
最初の頃は周りの人を笑顔にするたび、キーホルダーの信号は赤から青に変わった。しかし、ここ最近ずっと赤のままだから、購入したお店の店主に見てもらったのだ。
「確かに。一番気を配る必要のある人がいますね」
「ご存じなんですかっ!?」
店主は穏やかな表情のまま、ホットミルクのような声で言った。
「あなたです」
思わぬ回答に固まる。
「ふふ、これをお買い求めになる方は、いつも自分のことを後回しにしてしまいがちな優しい人が多いんです。もっと気を配ってあげてください、大切な自分に」
「壊れていませんよ」
私に手渡しながら、温かな笑顔で店主が言う。
「…じゃあ、誰か困ってるんだ…」
胸を痛める。
最初の頃は周りの人を笑顔にするたび、キーホルダーの信号は赤から青に変わった。しかし、ここ最近ずっと赤のままだから、購入したお店の店主に見てもらったのだ。
「確かに。一番気を配る必要のある人がいますね」
「ご存じなんですかっ!?」
店主は穏やかな表情のまま、ホットミルクのような声で言った。
「あなたです」
思わぬ回答に固まる。
「ふふ、これをお買い求めになる方は、いつも自分のことを後回しにしてしまいがちな優しい人が多いんです。もっと気を配ってあげてください、大切な自分に」
その他
公開:25/02/07 07:51
月の音色
すごい気配り
作品を開いてくださりありがとうございました~。
もし気が向いたら、また遊びに来てください♪
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