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(…あら?この子はまだ尖っているのね。おいで、こっちにおいで…)

柔らかな波が、まだ鋭い小さな水色の光を手招きして岩場へ引き寄せると、あやすように優しく揺らしはじめました。岩にこつんとくすぐられるたび、小さな光はカチッカチチ…と音を立てて笑います。その楽しそうなようすに、岩場の影に隠れていたオレンジや緑色の光も飛び出してきて、鬼ごっこをはじめました。

(…元気いっぱいの子たち。たくさん遊んで、磨かれて…人を傷つけたりすることのない、まぁるくて優しい子に育ってね…)

波が子守唄を歌うと、泡がぽこん、ぽこんと生まれて青い煌めきの中を昇っていきます。小さな光たちは泡を追いかけて、コチッコチチ…とはしゃぎます。

何年も…何十年も…何百年も…繰り返し、繰り返し……



浜辺で見つけた、丸くて淡い小さな水色の光。そっと両手で包みこむと、深海を思い出したシーグラスの透明な歌声が聞こえる。
ファンタジー
公開:25/02/07 07:50
更新:25/02/13 07:49
月の音色 すごい気配り

ネモフィラ(花笑みの旅人)( 気の向くまま )

作品を開いてくださりありがとうございました~。
もし気が向いたら、また遊びに来てください♪

 

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