パンストゴースト

「部屋に出る、パンストの霊を除霊してもらえませんか？」
その依頼に除霊士である私は頭を抱えた。たちの悪い冗談かと思った。
だが、それは本当にいた。パンティストッキングの幽霊が部屋にいた。
こんなものでも幽霊には違いない。すぐにお経を唱え始める。
それに反応したパンストの霊が私に襲い掛かって来た。
油断していた。こんな見た目だがこいつは幽霊だ。
パンストの霊が私に覆い被さる。私はお経を唱え続ける。
パンストの霊が天に招かれる。吸い込まれるように天上へと昇ろうとする。
抵抗するパンストの霊。私の顔がバラエティ番組よろしくパンストに引っ張られる。
依頼主が私を見て爆笑する。笑い事ではない！
１時間にも及ぶ長丁場。やっとこさ除霊が完了した。
乱れた髪もそのままに、荒く息をつく私。
依頼主は感謝の言葉と共に「その腕を見込んでお願いがあります。次は鼻フックの霊を除霊してもらえませんか？」と言ってきた。