神様の声を聞いてはいけない

私には昔から霊感ならぬ神感がありました。
私には神様が見えます。神様の声が聞けます。それは最悪な事でした。
何せ日本は八百万の神の国。お米一粒の中に七柱の神様が宿っています。
想像して下さい。お茶碗の中、神様がうじゃうじゃいるんですよ。
ただ、神様は私の話も聞いてくれます。見えてしまっていて食べ辛いと言ったら姿を消してくれました。
その代わり、私は神様の話を聞く場を設けさせられました。
十数年前、元気のない貧乏神を励ましたところ、リーマンショックが起こりました。
元気な貧乏神は今も日本中を元気に走り回っています。
数年前、落ち込む疫病神を励ましたところ、コロナが大流行しました。
明るくなった疫病神は今、インフルエンザやはしかを流行らせています。
そして先日、ため息ばかり吐く死神を励ましてしまいました。
やる気になった死神は私に「楽しみにしててね」と言いました。
私は明日が来るのが怖いです…