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会社の忘年会で鬼の扮装をして踊ったらウケた。それで節分には俺が家族を盛り上げようと張り切って準備してきた。家族が俺を見直すチャンスだ。

節分の日、俺は赤鬼。鬼退治隊長は15歳の長男に協力を頼み、任せてあった。
俺は全身タイツに虎のパンツ、鬼のお面でスタンバイ。6時きっかりに庭で暴れ、奇声をあげる。あれ、長男どうした、さあ豆を撒け。
「ちょっと何騒いでるの。近所迷惑よ」
妻の声が響く。長男は出かけたと聞かされる。アイツは反抗期だ。裏切ったな。
妻が言った。
「早く家へ入って。変質者だと思われるでしょ」
その瞬間、後ろから手を引っ張られた。警察?
鬼だった。なんだお隣さんも同じことしてたのかとホッとしたのも束の間、担がれて何処かへ連れ去られた。

待っていたのは、赤、青、緑、様々な色の鬼たち。
「キョウカラナカマ」
俺を見て口々に呟く。 
「そこの新人、わしと出動するぞ」 
え、俺?嘘だろ。
ファンタジー
公開:25/01/24 09:55
更新:25/01/24 23:25

ジャスミンティー

2023年10月から参加しています。作品を読んでいただき、ありがとうございます。

最近noteへの投稿も始めました。よろしかったら、そちらもご覧ください。エッセイ、短歌なども載せています。https://note.com/real_condor254 
 

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