恋愛を飲む

私は大人なビターな大人の恋愛が好きだ。チョコのように甘さの中にある苦み…それがたまらなく好き。
それをクラスメイトに話すと「変わっているね」と言われる。当然だろう。
だって私達はまだ中学生。誰もが青春の一ページとしての恋愛を望む。
だけど私は憧れの先輩より、先生のコイバナが気になる。
どんな恋愛をしてきたのだろう？そこにどんなドラマがあったんだろう？って。
私は先生に話を聞きに行く。嬉しそうに話す先生もいれば、恥ずかしそうに話す先生もいる。
私は先生のコイバナから種を収集すると、それをミルで粗挽きし、恋愛メーカーにセットしお湯を注ぐ。珈琲によく似た飲み物の完成である。癖になる苦み。私はこれが大好きだ。
以前、同年代のコイバナの種を挽いたものでも作ってみた。
甘酸っぱい…飲めなくはないが、やはり私は酸味より苦味が好きだ。
目が覚めるような苦味は、夢見がちな恋愛から私を現実に引き戻してくれる。