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夫がそうめんを茹でてくれている。
ある日、私の心はバラバラに砕けた。
毎日、薬を飲んで、ひたすら寝ていた。
「食べないといけないよ。」
夫が心細いブルドッグのような顔で言った。
死んじゃうのかなと他人事のようだった。
私の痩せた手を握った夫を見ると、目に涙を浮かべていた。
「そうめん。」
夫を悲しませたくない一心で口から無意識に言葉がこぼれ落ちた。
少し夫の顔が明るくなり、そうめんを茹でてくれた。
私は一口しか食べられなかった。
それから、毎日、夫がそうめんを茹でてくれるようになった。
そうめんになんの思い入れもなかったし、味もなかったけど、私は必死に口に運んだ。
夫を悲しませないために、カンダタが蜘蛛の糸にすがるように。
地獄から這い上がれたかわからない。
ただ、今日、私はそうめんを茹でている。
ある日、私の心はバラバラに砕けた。
毎日、薬を飲んで、ひたすら寝ていた。
「食べないといけないよ。」
夫が心細いブルドッグのような顔で言った。
死んじゃうのかなと他人事のようだった。
私の痩せた手を握った夫を見ると、目に涙を浮かべていた。
「そうめん。」
夫を悲しませたくない一心で口から無意識に言葉がこぼれ落ちた。
少し夫の顔が明るくなり、そうめんを茹でてくれた。
私は一口しか食べられなかった。
それから、毎日、夫がそうめんを茹でてくれるようになった。
そうめんになんの思い入れもなかったし、味もなかったけど、私は必死に口に運んだ。
夫を悲しませないために、カンダタが蜘蛛の糸にすがるように。
地獄から這い上がれたかわからない。
ただ、今日、私はそうめんを茹でている。
その他
公開:25/01/23 20:43
思うまま、感じたままに文章を書いています。
皆様に読んで頂けたら嬉しいです。
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