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1 2 月半ばの夕方、散歩に出てみたものの、寒くて早々に家へ帰りたくなった。辺りは薄暗くなり、早足で家へ向かう。ふと後ろに気配を感じた。誰かにつけられていた。あいにく人けのない街灯もない場所。ペタペタと妙な音が近づいてきた。
勇気を出して振り向くと、足もとに赤い長靴。おかっぱ頭の女の子。
「え、ナミちゃん?」
驚いて声をあげると、その子は頷いた。友だちのナミちゃんだった。あの日のまま、7歳のままの。
「ナミちゃん」
呼びかけるとニコッと笑って、そしてナミちゃんはスッと消えた。
お天気の日もお気に入りの赤い長靴を履いていたナミちゃん。公園で一緒に遊んだあの冬の日、バイバイしたあと、家へ帰る途中でナミちゃんは車に轢かれて亡くなった。
冬が来るたびにナミちゃんを思い出し、ずっとずっと会いたいと思っていた。
見上げると無数の白い花びらが舞っていた。初雪だった。
勇気を出して振り向くと、足もとに赤い長靴。おかっぱ頭の女の子。
「え、ナミちゃん?」
驚いて声をあげると、その子は頷いた。友だちのナミちゃんだった。あの日のまま、7歳のままの。
「ナミちゃん」
呼びかけるとニコッと笑って、そしてナミちゃんはスッと消えた。
お天気の日もお気に入りの赤い長靴を履いていたナミちゃん。公園で一緒に遊んだあの冬の日、バイバイしたあと、家へ帰る途中でナミちゃんは車に轢かれて亡くなった。
冬が来るたびにナミちゃんを思い出し、ずっとずっと会いたいと思っていた。
見上げると無数の白い花びらが舞っていた。初雪だった。
ファンタジー
公開:25/01/19 01:23
更新:25/01/19 02:29
更新:25/01/19 02:29
2023年10月から参加しています。作品を読んでいただき、ありがとうございます。
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