苦老婆さん

2
3

昔々あるところに、お婆さんが住んでいました。

朝、起きることにも。食べることにも。働くことにも。老婆は生きることに苦労しておりました。苦老婆さんがいました。

食べ物が欲しい!仕事が欲しい!お金が欲しい!欲しい!欲しい!欲しい!

あれもよこせ!これもよこせ!
お婆さんの心はすさんでいました。

そんなある日、一羽の雀がお婆さんの前に舞い降りました。
チュンチュン

「ふん!餌なんかないよ!あっちいきな!くっちまうよ!」
雀は、おっぱらわれても、お婆さんの近くに毎日毎日飛んできました。
次第に、お婆さんは、そんな雀がかわいくなってきて、話しかけたり、虫をあげたりしました。

お婆さんの歯が抜け落ちて、四本になって四つ歯になった頃。
お婆さんは、河原で倒れて微笑んだまま命つきました。

河原には、白詰草が群生していました。
やがて、四葉のクローバーは、幸せを呼ぶといわれるようになりました。
その他
公開:25/01/21 19:19
更新:25/01/22 21:58
クローバー 白詰草 シロツメクサ 童話 不思議 日常

前虎2( https://twitter.com/mae10ra )

以前の「前虎」ページにて184作品(近眼なプリンセス)までの投稿はご覧いただけます。
そちらのページは2023年4月23日からログインできない状態のため、
その後の投稿作品は新たにこちらの「前虎2」のページに投稿いたします。
以前と変わらず「小説家になろう」さんの「前虎」ページでもご覧いただけます。
よろしくお願いいたします。
 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容