ミルクティー

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心のなかに嵐が起きている。
腕を組んでた子はだれ? 生き別れた妹だなんて言わないよね?
今日こそ問いつめようと思ってたのに、待ち合わせの時間に遅れてきた彼を見つけた途端、うれしさが勝ってゆるしてしまった。挙げ句に、今日もなんてかっこいいんだろうなんて感想をいだいている。
店員さんを呼んでミルクティーを注文するところも、愛らしくてたまらない。写真を見せたともだちには、ちょっと強面だねなんて言われたけど、わたしにとっては世界一の王子様だ。
「ごめんね、急に雨が降ってきてさ」
わたしがでかけた時は晴れていた。だけど窓の外は本当に雨だった。しかも雪がまじっている。そのつめたさは、恋の炎で燃えていたわたしの気持ちをクールダウンさせた。
「まだ会うつもり? 髪をミルクティー色に染めた子と」
彼の顔が真っ赤に染まる。怒りか羞恥、或いは別の感情からなのだろう。だけど興味はない。わたしの答えは決まっている。
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公開:25/01/12 15:49

いちいおと( japan )

☆やコメントありがとうございます✨
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清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選

イラストはibisPaintを使っています。

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