2025=45×45年

　今日は2025年最初の月曜日。
「2025といえば45×45で平方数だなぁ」なんて思うのは僕が数学科の学生だからか。
　ちなみにその前は1936年で、次は2116年。つまり、今年は貴重な"平方数"年ということになる。

　そんなことを考えながら大学に向かっていたら、変な手帳を拾った。スケジュール管理目的ではなく、その日の出来事を書き込んでいるようだ。
　12月までの内容をパラパラ読むと……政治家が襲撃された、オリンピックがあった、強い野球選手がいた……世情には疎い僕だが、確かに去年はそんなことがあった気がした。

「おや、失敬。それは私の手帳ですな」突然声をかけてきたおじさんは、40代くらいで、なんとも昭和レトロな格好をしていた。
「変わった手帳ですね」僕は言った。
「ええ、私たち『"平方数"人』向けの特別製なのです」

　きっと『"素数"ゼミ』みたいなものだろうか。僕は勝手に納得した。