ヘビ雪

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年始に最強寒波がやってきた。
「これはチャンス!」
天気の神様はせっせとヘビ雪を作り始めた。
天気の神様の手にかかればウロコまでリアルに表現されたヘビ雪を作ることは難しくない。首をもたげたヘビ、蛇行運動するヘビ、とぐろを巻いたヘビ、いろんな形のヘビ雪を作っていく。
ものの数分で大量のヘビ雪を作り終えた神様は上空からヘビ雪をばら撒いた。雪でできた白いヘビは人々のいる地上へふわりと降っていく。
「新年おめでとう。巳年の贈り物だよ」
満足そうな笑みを浮かべる神様。

だけど彼は重要なことを見落としていた。地上は上空よりも気温が高いのだ…

地上に着く頃にはヘビ雪は表面が溶け、精巧に作られたウロコの模様や瞳もつるりと消えてしまった。
子供たちはとぐろを巻いたヘビ雪を見て「ソフトクリームだ!」「白いウ◯チだ!」と言いたい放題。
もうヘビ雪なんて作るもんか、と神様は不貞寝した。
公開:25/01/09 20:16
更新:25/01/13 22:51

山吹 橙子

山吹橙子(やまぶきとうこ)と申します。趣味で小説にチャレンジ中の会社員です。
楽しい話が書きたくて日々精進しています。
ど素人のひよっこですがよろしくお願いします!

※コメント下手ゆえ、⭐︎の押し逃げをすることがあります。お許しください。

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