鈴を割る
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ガランガランと音が聞こえる。邪気を払うような爽やかな音だ。清らかで涼しげな風が心地よく、目を開けるとそこは御社殿だ。奥では神様の像が祀られている。
これは夢だ。しばらく初詣なんか来てない。夜のしじまが懐かしい。あの日、年明けの瞬間を分かち合った友だちは今頃どうしているかな。
「しかしうるせえな」
ガラガラと真鍮の鈴が鳴り続けている。誰だ楽器じゃねえぞ。
見上げると、ヒエと思わず声が出た。ピースケだ。巨大なインコがこちらを見ている。
「なにしとん……」
飼い主の声も無視して、楽しげにガリンと鈴を割り壊した。シャララと音を立て、光り輝きながら粉と化して風に吹かれて消えていく。凄まじい破壊力に慄きながら、なんだか清々しい気持ちだ。寂しさや心残り。停滞していた何かの全てが、今目の前でいとも容易く粉砕されたような。
「今年は良いお年を!」
金色の粉を夜に彩って、ピースケは今年に向かって飛んでいった。
これは夢だ。しばらく初詣なんか来てない。夜のしじまが懐かしい。あの日、年明けの瞬間を分かち合った友だちは今頃どうしているかな。
「しかしうるせえな」
ガラガラと真鍮の鈴が鳴り続けている。誰だ楽器じゃねえぞ。
見上げると、ヒエと思わず声が出た。ピースケだ。巨大なインコがこちらを見ている。
「なにしとん……」
飼い主の声も無視して、楽しげにガリンと鈴を割り壊した。シャララと音を立て、光り輝きながら粉と化して風に吹かれて消えていく。凄まじい破壊力に慄きながら、なんだか清々しい気持ちだ。寂しさや心残り。停滞していた何かの全てが、今目の前でいとも容易く粉砕されたような。
「今年は良いお年を!」
金色の粉を夜に彩って、ピースケは今年に向かって飛んでいった。
公開:25/01/04 12:09
あけましておめでとうございます
400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。
無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
a.co/1VIyjHz
『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。
写真は全て自前でやっています(笑)
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