カルテッド

親戚の葬式で、おじさんの亡骸の上に私が欲しかったギターが置かれているのを見て動揺した。
「おじさん、天国でも昔の仲間と一緒に音楽やるんだって」
おじさんが天国で何をしようがどうでもいい。ただ、このギターを燃やすのは反対だ！
「でも遺言に一緒に燃やしてくれって書いてあったのよ」
母に何を言っても無駄だ…だから私は人がいなくなった後、棺の中のギターを安物と密かに交換した。
すると閉じていたおじさんの目が開き、それを返せと迫ってくる。
怖い！でもこれは渡したくない！ギターを抱えて逃げる。
すると「こっちだ！」と私を助けてくれる人達がいた。声のする部屋に急ぎ駆け込む。
危機一髪。私を助けてくれた人達にお礼を言う。
「いやいや。構わないよ。俺達も、アイツより腕の立つギタリスト探していたんだから」
その人達は困惑する私の手足を掴み、暗がりへと引きずり込む。
「俺達とあの世で、カルテットを結成しようね」