2
3

眠りに落ちれば広がる、今年最初の真っ白な夢。

ーー深く息を吸って、吐く。

透明な硯の丘で私の新年の抱負を研いで磨くと、海へ溶け出していくのは七色の願いだ。
綿毛のように柔らかな筆を、ひたりと凪いだ虹の中へ浸して、まだ始まりも終わりもない空白の夢へ豪快に一筆!

勢いよく白を割る極太な七色の一直線は、やがて自由に枝分かれして、私の夢を描いていく。



駅のホーム。
夏空を悠然と流れていく入道雲に蝉の声。
輪郭揺らめく電光掲示板。
2番線の電車はもう来る頃だ。
あぁ、風は少しもない。
額に浮かぶ汗を拭って、ペットボトルの麦茶を飲む。ぬるい。
ここはどこで、これからどこへ行くんだろう?

これが私の書き初めだ。
今年描いた初夢だ。
その他
公開:25/01/06 06:57
更新:25/01/06 07:09

ネモフィラ(花笑みの旅人)( 気の向くまま )

読んでくれてありがとう!

 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容