新年会のお客様

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元旦の夜、我が家では親戚が集って新年会が開かれた。総勢25人、和室を二間続きにして賑やかに飲んで食べて踊り歌う。宴たけなわの頃、酔った祖父が誰かに絡んでいた。
「お前さん誰だ?」
「あれ、俺も知らねえな」
父の弟の正おじさんも絡み出した。実は僕もその50歳くらいの男性を知らなくて多分親戚の人なんだと思っていた。
「いやあ、すいません。何だか楽しそうでついお邪魔しちゃって」
赤いセーターの男性は立ち上がった。と同時に5歳のいとこが男性のそばへ駆け寄った。
「ねえ、ねえ、サンタさんだよね」
「あれ、ばれちゃったかな」
そう言うとその人はさっといなくなった。
大人達は気にもとめず宴は続き、子ども達は玄関に置かれたプレゼントの山に気づき大はしゃぎ。それらは配りそびれたプレゼントらしい。あわてん坊のサンタならぬのんびり屋のサンタの訪問だった。元旦に来るとは、いくらなんでものんびりしすぎだけどね。 
その他
公開:25/01/05 15:36
更新:25/01/06 09:37
今年もどうぞよろしくおねがいします✨️

ジャスミンティー

2023年10月から参加しています。作品を読んでいただき、ありがとうございます。

最近noteへの投稿も始めました。よろしかったら、そちらもご覧ください。エッセイ、短歌なども載せています。https://note.com/real_condor254 
 

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