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おいしいカレー屋さんがあると聞いて、彼女と出かけていった。
たたずまいは和風の建物だけれど、一歩店のなかに入ればスパイスの香ばしいにおいが漂っている。
ぼくたちは窓際の席に案内された。
そこからは、美しい和風庭園が一望できた。
「なににしよっか。どれもおいしそう」
彼女はどこに行ってもスマートフォンを見ている。
ぼくの話には上の空で、今日も「同じのでいいよ」と答える。
忙しく鳴る通知音。
くすくす笑う彼女。
画面の向こう側の仲間たちとは相変わらず楽しそうでなによりです。
ぼくは店員を呼び、三種あいがけカレー大盛りを二つ注文した。
後で文句を言う彼女の顔が頭をよぎるけれど、知ったことじゃない。
周囲の人々のおしゃべりが今日はやたらと耳につくのに、心のなかは不思議と凪いでいた。
ぼくが別れを切り出すまで、あと三分。
たたずまいは和風の建物だけれど、一歩店のなかに入ればスパイスの香ばしいにおいが漂っている。
ぼくたちは窓際の席に案内された。
そこからは、美しい和風庭園が一望できた。
「なににしよっか。どれもおいしそう」
彼女はどこに行ってもスマートフォンを見ている。
ぼくの話には上の空で、今日も「同じのでいいよ」と答える。
忙しく鳴る通知音。
くすくす笑う彼女。
画面の向こう側の仲間たちとは相変わらず楽しそうでなによりです。
ぼくは店員を呼び、三種あいがけカレー大盛りを二つ注文した。
後で文句を言う彼女の顔が頭をよぎるけれど、知ったことじゃない。
周囲の人々のおしゃべりが今日はやたらと耳につくのに、心のなかは不思議と凪いでいた。
ぼくが別れを切り出すまで、あと三分。
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公開:24/12/29 22:09
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選
イラストはibisPaintを使っています。
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