カルテッド

仕事帰り、３匹の子猫を保護した。それを彼に見せると「別にいいんじゃないか？」と言ってくれた。
意外だ。彼は絶対に反対すると思っていたのに…
こうして我が家に３匹の新しい家族が出来た。
子猫は彼に懐いた。当然だ。日中、私は仕事がある。会社に行かなくてはならない。
それに引き換え彼は無職。私のヒモと言う奴だ。これも惚れた弱みだろう。
ふたりで暮らしていた時は何もしてくれなかった彼。
それなのに子猫たちが来てからというもの、ご飯の準備にトイレ掃除までやってくれる。
どうやら彼にも、飼い主としての自覚が芽生えたようだ。
子猫を拾ってきた時は彼の世話に加えて子猫の世話か…と、気が重かったが今は心強い彼のおかげで以前より毎日が充実している。仕事を頑張る理由がもう一つ増えた。
そんな子猫たちも１年経つとすっかり大きくなった。１０年経つと歳を感じた。
２０年経った今、３匹の子猫は彼と同じく猫又になった。