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「座んなよ君」
「なんか威張ってるよ」彼はちょっと可笑しそう。
「いいんだよ、そこに座ってじっとしてて」
「はいはい」言われるがまま腰掛ける彼の脱力加減が良い感じ。知ってる? 私が絵筆をちょちょいと動かせば、モデルのあなたは白いキャンバスの中に閉じ込められてしまうのよ。そうして、きっとあなたはこう言うわ。
「僕をここから出してくれ」
意地悪な私は聴こえないふり。「残念だけどフライトチケットもほらこの通り破ったわ」
…
泣いてるの?それとも笑ってるの?
何故だか穏やかな表情で私を見てるあなた…
目が覚めると目尻がしっとりと濡れていた。
いつからかな、部屋のカレンダーを外した私…
身支度もそこそこに外へ飛び出すと、淡い春風が頬に触れた。空港へと伸びるバイパス道路と小さな車。
キャンバスから抜け出したあなたへ告げた「さよなら、またね」
とびきりの笑顔と
明日の私を届けた春の日…
「なんか威張ってるよ」彼はちょっと可笑しそう。
「いいんだよ、そこに座ってじっとしてて」
「はいはい」言われるがまま腰掛ける彼の脱力加減が良い感じ。知ってる? 私が絵筆をちょちょいと動かせば、モデルのあなたは白いキャンバスの中に閉じ込められてしまうのよ。そうして、きっとあなたはこう言うわ。
「僕をここから出してくれ」
意地悪な私は聴こえないふり。「残念だけどフライトチケットもほらこの通り破ったわ」
…
泣いてるの?それとも笑ってるの?
何故だか穏やかな表情で私を見てるあなた…
目が覚めると目尻がしっとりと濡れていた。
いつからかな、部屋のカレンダーを外した私…
身支度もそこそこに外へ飛び出すと、淡い春風が頬に触れた。空港へと伸びるバイパス道路と小さな車。
キャンバスから抜け出したあなたへ告げた「さよなら、またね」
とびきりの笑顔と
明日の私を届けた春の日…
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公開:25/01/01 17:27
更新:25/01/01 17:29
更新:25/01/01 17:29
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